星乃珈琲店 守谷店 | Hoshino Coffee in Moriya
- STATUS | Built
- PROGRAM| Coffee Shop
- LOCATION| Moriya , Ibaraki
- YEAR | 2021
- STRUCTURE ENGINEER | Atsushi Fujio
- CONSTRUCTOR | Nihon Kensetsu
- PHOTO | Tololo studio
- DESIGN | Satoshi Kuboi , Kumiko Miyamoto , Toshiharu Terashima ( Bond Architects )
星乃珈琲店設計コンペ 準グランプリ
日本空間デザイン賞2022 ショートリスト
第36回茨城建築文化賞 優秀賞(茨城新聞社賞)
architecturephoto掲載
星乃珈琲店の新店舗の計画。従来の「蔵」をテーマとした店舗に変わる「新しい郊外型店舗のデザイン」が求められた。敷地は茨城県守谷市のロードサイドに立地する。郊外店舗は建物より駐車場などの外部空間が敷地の過半を占める。そして従来の郊外店舗は外装・内装には一定のコストをかけ設えるが、平面・構造・外構計画などはコストを抑えるため簡便なものとなることが多い。星乃珈琲店の場合は、蔵というデザインソースも相まって外部を楽しむことのできる店舗は少なかった。そこで桂離宮など豊かな外部環境を持つ歴史的建築に多くみられる雁行型を参照し、現代の郊外環境において内外の多様なつながりをつくることで、立体的なファサードや外部とつながる客席、庭園のようなエントランス空間を計画した。商業建築は必要に応じて模様替えや内装変更などが行われる。このような改変が加えられても変わらない強さを持った空間とするため片流れ大屋根によるおおらかな断面形式を採用した。中間梁より下の空間は必要に応じた設えの変化を許容し、上部の空間において空間の純粋さが保たれる。加えて、大屋根の構造は三角形平面なりの扇垂木とし、大屋根の象徴性をいっそう高める計画とした。架構自体が意匠の一部として空間を彩ることで、表層的な仕上げのコストを最低限に抑え、内装が更新されても維持される強度を持った空間を目指した。背後に広がる雑木林と一体となった新店舗が、さながら鎮守の森を背負った神社のように、画一的な風景の広がる郊外ロードサイドの中で、地域の特別な場所になることを願っている。