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つしまクロス | Tsushima Cross

  • STATUS | Built
  • PROGRAM | Community Center , Tourist Information Center , Patio
  • LOCATION | Tsushima , Aichi
  • YEAR | 2026
  • STRUCTURAL DESIGN | Fujio Atsushi
  • CONSTRUCTION | Sakakibara Kensetsu
  • PHOTO | ToLoLo studio
  • COLLABORATION | MARUZEN-YUSHODO(co-architect) , SfG landscape architects(co-architect , landscape design) , MARUYAMA DESIGN(sign design)

津島市シビックプライド醸成拠点整備運営事業プロポーザル 選定(丸善雄松堂を代表とした共同事業体)
新建築2026年9月号 掲載

愛知県津島市に位置する旧信用金庫、旧駐車場、旧銀行(登録有形文化財)をリノベーションし、地域に開かれた広場「みなくるパーク(旧駐車場)」、カフェやスタディスペースなどが入る交流施設「てんのうぴあ(旧信用金庫)」、歴史文化を展示する「観光交流センター(旧銀行)」で構成される一体的な交流拠点として再編した公共施設である。

津島市は古くから茶の流通と水運で栄え、各所にその風情を感じさせる町家や山車蔵、社寺が散在し、日常的に歴史文化に触れられる街である。一方で他の地方都市と同様に衰退し、遊休化した不動産が増えつつある。市もこの課題に応えるべく、今回の対象建物とそれに付随する空き地の一体的利活用を構想し、DBO方式の公募型プロポーザルを実施した。敷地は、津島駅と津島神社を東西に結ぶ目抜き通り、南北方向に延びる旧街道、住宅地を通る小径という性格の異なる3つの通りに面しており、やや奥まった立地にある。歴史ある天王祭の舞台、地域の重要な拠点でもある、大規模な都市公園・天王川公園にも近接している。こうした歴史・文化・動線が重層する環境の中で、周囲に点在する資源を繋ぐ回遊の拠点となることが求められた。

奥まった立地の空間的特徴を補強するため、敷地の中央に、各施設を繋ぐハブとして南北に伸びる「まちの庇」と「まちのカウンター」を据えた。3方向からの視線や動線を受け止めつつ、単なる渡り廊下としてだけでなく、奥への回遊を生み出すことを意図している。敷地の奥まった性格を逆手に取り、建築の構え方の工夫や、築山やベンチなどの小さな居場所が連続するように配置することで自然に奥へ引き込まれる体験をつくり出し、住宅に囲まれた地域の庭のように親密で落ち着いた居場所として計画した。

てんのうぴあでは、沿道のカーテンウォールを大開口へ改修することで、目抜き通りの賑わいを引き込み、みなくるパークへの誘いをつくった。貸金庫や預金窓口サイン、ATMコーナー等、執務空間と接客空間を分けていた銀行のエレメントを空間に奥行をつくる設えへ読み替え、動線と空間を整理した。観光交流センターもまた、銀行時の仕上げや空間の履歴を尊重しつつ、来館者の流れを受け止める展示台やベンチを設えた。

遊休建物や空き地の空間的特徴を再発見し、周辺に呼応させるようにエリアを編集し直すことで、町並みの中に回遊と居場所をつくり出したプロジェクトである。

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